「ニッコースタイル名古屋」から自転車で約10分、軽やかに出かけて、街の奥行きにふれるローカルガイド『10min Journey』。ホテルを起点に、身近な場所で出会える名古屋の魅力をめぐる小さな旅をご案内します。名古屋駅前の賑わいのすぐそばには、昔ながらの商店街や市場、手仕事が息づく場所があります。そこには、名古屋を代表する観光名所も、地域の人々に親しまれてきた風景もあります。ただ訪れるだけではなく、その土地の歴史や文化、人々の営みの背景を知ることで、新しい発見につながります。そして、街との距離は少し近づき、さっきまでとは違う景色が見えてくるでしょう。まだ知らない名古屋へ。お気に入りの店を見つけたり、季節の景色に足を止めたり。急がず、寄り道を楽しみながら、名古屋という街を旅してみませんか。
どうぞ、よい一日を。
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01|Craft & Coffee, Local Histories.
おいしいパンとコーヒーを片手に、名古屋のクラフトマンシップに触れる。
器や喫茶、商店街の風景。名古屋の街には、脈々と受け継がれてきたものづくりの文化が、今も暮らしの中に息づいています。パン屋で交わす何気ない会話や、器に込められた物語は、この街を少しずつ好きになっていくきっかけになることでしょう。向かう先は、創立120年を超える洋食器メーカー・ノリタケの創立の地に広がる「ノリタケの森」です。光と緑が美しい季節。自転車を走らせ、おいしいパンを買って、コーヒーを片手に木陰でひと休み。ゆっくりとミュージアムをめぐったあとは、地域に根付く老舗の喫茶店で名古屋の日常を味わう。季節の空気を感じながら、この街に流れる穏やかな時間を過ごしてみてください。
【Today’s Journey】所要時間 約3時間
芒種 → 円頓寺商店街 → ノリタケの森 → コーヒーハウス かこ 花車本店
円頓寺商店街のアーケードをくぐった先にある「芒種」は、商店街の日常にとけ込む小さなベーカリーです。店に入ると、ふわりとパンの焼けるいい香り。天然酵母で焼き上げた食パンやフランスパン、クリームパン、あんぱん、メロンパンなど、シンプルで素朴なパンたちがショーケースに並びます。
店名の「芒種」は、日本の四季の移ろいを表す二十四節気のひとつ。穀物の種をまく6月上旬から下旬頃を意味する言葉ですが、店主の杉江さんは「笑顔の種をまく」という思いも込めて名付けました。パンづくりは天然酵母や国産小麦、オーガニック素材を大切に、一つひとつ丁寧に手作り。卵や乳製品を使わないパンも揃え、アレルギーやヴィーガンの方にも配慮しています。ニコニコと朗らかな杉江さんが迎えてくれる店内は、穏やかでやさしい空気に包まれています。地元の常連客はもちろん、旅行者も多く訪れ、海外からの旅行者とは片言の英語を交えながら会話することも。そんな小さな交流も、この店の魅力です。
若いころからこの界隈で働き、円頓寺に馴染みがあったという杉江さん。「商店街の好きなところは、昔ながらの心落ち着く和やかな雰囲気」と話すように、外観にはかつて営業していたベビー洋品店のレトロで可愛い看板が今も残り、街の歴史を静かに伝えています。ご近所の精肉店で揚げたてのミンチカツを買い、パンに挟んでサンドイッチにするのも、商店街ならではの楽しみ方。お気に入りのパンを買って、さぁ、でかけましょう。
円頓寺商店街の歴史は古く、その始まりは約400年前の名古屋城築城の頃までさかのぼります。東西約200メートルにわたって約40店舗が連なるアーケードには、老舗店の中に新しい店が加わり、この街らしい景色が育まれています。毎年7月末から8月初旬に円頓寺本町商店街と連盟で開催される「円頓寺七夕まつり」も名物のひとつ。商店街の人々が手づくりする個性豊かな「張りぼて」がアーケードを彩り、多くの人で賑わいます。
赤レンガの建物と豊かな緑に包まれた「ノリタケの森」のテーマは、「文化と出会い、森に憩う」。名古屋駅からほど近い場所にありながら、都心の喧騒を忘れ、思い思いの時間を過ごせるよう開かれた場所です。国内外の旅行者だけでなく、散歩や休憩に訪れる地元の人の姿も多く、緑や紅葉など季節ごとに表情を変える木々の中で、ベンチに腰掛けるだけでも、優雅な気分になれるでしょう。
園内にあるミュージアムでは、120年以上にわたる洋食器ブランド〈ノリタケ〉のものづくりの歩みを紹介しています。多言語対応の音声ガイドとともに膨大なアーカイブコレクションを眺めていくと、世界へ羽ばたいたブランドの歴史と挑戦の軌跡が見えてきます。
その起源は、森村市左衛門ら兄弟が設立した貿易商。1904年、日本初のディナーセットづくりを目指し、〈ノリタケ〉の洋食器製造がはじまりました。しかし、世界へ送り出せる品質にたどり着くまでには約10年もの歳月を要しました。それでも理想を諦めず、良品にこだわり続けたものづくりへの姿勢は、展示の随所から伝わってきます。多くの人が足を止めるのが、器の裏側に刻まれた「裏印(バックスタンプ)」の展示です。小さなマークの一つひとつに創業者たちの志や思いが込められ、なかには「困難」の「困」の字を図案化し、「困難を乗り越え、最後は物事が丸く収まるように」という願いを表した印もあります。
また、欧米へ輸出された「オールドノリタケ」の花瓶は、一点一点、職人によるハンドペイント作品で、100年以上の時を経た今も色あせない繊細な美しさに、思わず見入ってしまいます。ニューヨークのデザインルームで日本人の駐在デザイナーが手がけた、手描きのデザイン画やカタログも見どころの一つ。時代ごとのトレンドや人々のニーズに寄り添って生み出されたコレクションを見ていると、世界へ向けて挑戦を続けてきたノリタケの歩みがより身近に感じられます。
クラフトセンターで職人技を見学したり、絵付けを体験したり。そして、ライフスタイルショップ「ノリタケスクエア名古屋」にも、ぜひ立ち寄ってみてください。〈ノリタケ〉を代表するシリーズから直営店限定品まで幅広く揃い、アウトレットコーナーでは廃番商品や企画品を手頃な価格で購入できます。お気に入りの器はもちろん、受け継がれてきたものづくりの美意識も、旅の記憶とともに持ち帰れるはずです。
大通りから一本入った路地裏に佇む「コーヒーハウス かこ 花車本店」。木の家具や土壁、たくさんのコーヒーチケットが並ぶ店内には、長い年月を重ねた喫茶店ならではの趣があります。訪れるなら、大行列のモーニングタイムを外した午後がおすすめ。やわらかな光が差し込む空間で、のんびりとした時間を過ごせます。
1972年創業。マスターの土屋さんは名古屋でいち早く自家焙煎に取り組み、「喫茶店といえばコーヒー」という思いを大切にしてきました。焙煎前後のハンドピックを欠かさず、豆の鮮度にもこだわり続けるコーヒーは、深いコクと甘みが特徴です。カップ&ソーサーは、カウンター奥の棚に並ぶノリタケや大倉陶園をはじめとするコレクションの中から、その日のお客様に合わせて選ばれます。洋服の色や季節に似合う一杯が運ばれてくる瞬間には、嬉しいときめきがあります。そして、コーヒーとともに楽しみたいのが、名物トースト「シャンティールージュスペシャル」や「名古屋パフェ」。自家製の小倉あんと季節のフルーツコンフィチュールを添えた、素材の持ち味を生かしたやさしい味わいが人気です。
「一人ひとりのお客様を大切に」という丁寧な日々のおもてなしが積み重ねられた、半世紀を超えて愛されるこの場所。家族三世代で通う常連客をはじめ、国内外からさまざまな人が集い、おしゃべりに花を咲かせるのも日常の風景です。名古屋らしい喫茶文化にふれるひとときは、この街で過ごす時間を、より味わい深いものにしてくれます。
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レストラン直通
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手仕事の世界に浸る体験 夏休みの想い出に
約300年の歴史を持つ、岐阜和傘と岐阜提灯。
2つの伝統工芸品の歩みと魅力にふれながら、「提灯」「ぼんぼり」の絵付け体験をお楽しみいただけるワークショップを開催します。
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